2009年10月3日土曜日

「52年ぶりの東京五輪」実現ならず

2016年五輪招致で落選し、落胆するアスリートたち
2016年五輪招致で落選し、落胆するアスリートたち 撮影:山本宏樹
 2016年夏季五輪の開催を目指した東京都では、2日深夜、招致関係者や国会議員、都議ら約500人が都庁5階の特設会場に集まり、大型スクリーンに映し出されるコペンハーゲンでのIOC総会の投票の様子を固唾を呑んで見守っていた。
 東京都が午後11時から開催した「2016年オリンピック・パラリンピック開催都市決定を迎える会」では、佐藤広副知事が「あとは勝つだけ」とあいさつし、松岡修造(元プロテニスプレイヤー)は「今日はオリンピック開催地が東京に決まる日」と気勢を上げた。
 午前0時20分、1回目の投票が行われ、シカゴが最も少ない得票数で落選し東京が2回目の投票に進むことが決まると、会場からはその瞬間拍手が沸き起こったが、2回目の投票で東京の落選が決まり、ため息や落胆の声が聞こえ、会場は瞬く間に重苦しい雰囲気に包まれた。
 日本は1988年大会に名古屋、2008年大会に大阪が立候補し、それぞれソウル、北京に破れている。
 「迎える会」リハーサルでは、東京が開催地が決定したと仮定して、「開催地は東京に決まりました」と司会が繰り返し、カメラマンが徐々に集まりだしたころには、職員がくすだまを割って見せた。
 開催地が東京に決まることを想定して組まれたタイムラインでは、有名アスリートの登壇や乾杯、くす玉割り、花火の打ち上げなどの予定が午前2時30分まできっちり組まれていた。しかし、2回目の投票で落選が決まり、午前0時40分の東京都の谷川副知事のあいさつをもって「迎える会」は早々に終了、職員による撤収作業が始まった。その後、ロビーに小さなテレビが数台用意されたが、中継映像の歓喜に満ちたブラジルの候補者たちの様子を来場者たちは肩を落としながら、黙ったままただ静かに画面を眺めていた。
 最前列で投票を見守った有森裕子(元女子マラソン選手)は「最後の決戦まで行くかと思ったが早かった」と振り返り、「スポーツを知らない人たちに東京の違う楽しさが見えるそういうプレゼンテーションが少し足りなかったかなと思います」と話した。
 石原慎太郎都知事は4日に帰国、同日午前「迎える会」と同じ大会議場で会見を開く予定だ。「東京五輪招致」を掲げ、東京都知事選に勝利した石原新太郎都知事が、今回の五輪招致の失敗をどう評価するかが注目される。

残念、東京。 07:51

新宿駅西口、IOC総会までのカウントダウンを示すボード
新宿駅西口、IOC総会までのカウントダウンを示すボード 撮影:山本宏樹

 「東京は(オリンピック)無理でしょう」、大体その次に来る言葉は「この前北京でやったじゃないですか」となる。
 それはもちろんわかっているのだが、期待してしまうものでして。落選の瞬間は私自身も、シャッター押しながら非常に残念な気持ちになってました。都知事は明日、帰ってきます(羽田)。で、午前に都庁で記者会見。私は別の取材なので行きませんが、都知事がどのような答弁をするのか現場で聞いてみたい。
 東京がIOC委員に支持されなかった理由のひとつに(北京でやった、以外に)都民・国民のオリンピックに対する意識の薄さというのがあるのでしょう。不景気不景気といわれている昨今、都民が本当に欲しているのはどこで開催しても高画質・高音質の地デジで見れるオリンピックを東京でやることよりも、景気の回復・安定した暮らし、にあるのかもしれません。
 しかしこんな世の中だからこそ、(都知事が言っているように)夢を見るのもいいと思うのだが。

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