2015年2月18日水曜日

渡部陽一氏 ポートレート

War Photographer Yoichi WATANABE via Hasselblad H5D-40

 本日、THE PAGEに撮影させていただきました、戦場カメラマン・渡部陽一さんのポートレートが掲載されました。撮影のお話を頂いたとき、私は渡辺氏の「憂い」や「力強い想い」「葛藤」を表現しようと思っていました。
 皆さんはこの写真を何分で撮影したと思われるでしょうか。セッティング時間を除くと、約二分です。「撮影しながらのんびりライティングをセットする」ことはなかなか難しい時間です。

 このようなインタビュー撮影の場合、撮影地の多くが「楽屋・会議室」、それに次いで外ロケ、スタジオとなりやすいです。楽屋や会議室といった現場では、事前に撮影場所の様子(壁の色や広さ)がわからない事が多く、現場で瞬時な判断が要求されます。
 撮影場所の広さ・時間が許せばペーパーを持ち込んで撮影することもありますが、今回は舞台挨拶後の楽屋。機材はProfoto B1 500 Air TTLにレフ板のみ。軽装な理由は、時間通りに撮影を始め、終えるためです。

テクニカル:背景を落とす

背景を落とす(暗くする)ためには、被写体と照明の距離と被写体と背景の距離が重要になってきます。
 背景を白く、全体的に明るいイメージにしたい場合は、「被写体を背景に近づけ、ある程度光源とも距離をとる」のです。被写体と光源の距離が有ることである程度光が拡散し、ムラの少ないライティングになります。

 今回の写真のように、背景を落とし込むには、「被写体を背景から離し、光源に限りなく近づける」ことです。今回はフレームインギリギリまでオクタゴンを寄せています。こうすることで光の拡散を防ぎ、背景を落とした写真となります。
(画像では仕様上ペーパーがありますが、実際は楽屋の白壁です)